이 공간의 모든 이야기는 양심없는 무단 수집을 거부합니다. ⓒMuriel.
2011/06/12 (Sun)
우선 무언가가 씌이거나 들러붙게 되면, 정말로 장난이 아니라는 것을 말해 두고 싶다.
166 本当にあった怖い名無し New! 2011/05/13(金) 11:30:26.52 ID:rKgs8JSd0
コピペだが俺的に暫定一位のヤツを。
http://horror-terror.com/c-real/entry_6999.html
POINT:62点/112人 Good:74.1%
この怖い話を携帯で見るそこまで面白いことでもないし、長くしないように気をつけるが多少は目をつぶって欲しい。
では書きます。
何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。
もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。
俺の場合は大体2年半位。
一応、断っておくと五体満足だし人並みに生活できてる。
ただ、残念ながら終わったかどうかって点は定かじゃない。
まずは始まりから書くことにする。
当時俺は23才。 社会人一年目って事で新しい生活を過ごすのに精一杯な頃だな。会社が小さかったから当然同期も少ない、必然的に仲が良くなる。
その同期に東北地方出身の○○って奴がいて、こいつがまた色んな事を知ってたりやけに知り合いが多かっりした訳。
で、よくこれをしたら××になるとか△△が来るとかって話あるじゃない?
あれ系の話はほとんどガセだと思うんだけど、幾つかは本当にそうなってもおかしくないのがあるらしいのよ。
そいつが言うには何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないかって。
俺の時は、まぁ悪ふざけが原因だろうな。 当時は車を買ってすぐだったし、一人暮らし始めて間もないし、何よりバイトとは比べ物にならない給料が入るんで週末は遊び呆けてた。
8月の頭に、ナンパして仲良くなった子達と○○、そして俺の計4人で所謂心霊スポットなる場所に肝試しに行ったわけさ。
その場は確かに怖かったし、寒気もしたし何かいるような気がしたりとかあったけども、特に何も起こらず、まぁスリルを満喫して帰った訳だ
167 本当にあった怖い名無し New! 2011/05/13(金) 11:32:58.86 ID:rKgs8JSd0
3日後だった。 当時の会社は上司が帰るまで新人は帰れないって暗黙のルールがあって、毎日遅くなってた。
疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、部屋の入口にある姿見の前で、「してはいけないこと」をやったんだ。
試そうとか考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。
少し細かな説明をする。当時の俺の部屋は駅から徒歩15分、八畳1R、玄関から入ると細い廊下がありその先に八畳分の部屋がある。 姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いていた。
俺が○○から聞いていたのは、鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来るとか言う話だった。
体勢的にちょっとお辞儀をしているような格好になる。
「来るわけねぇよな」なんて呟きながら、お辞儀のまま右向いた時だった。
部屋の真ん中辺りに何かいた。 見た目は明らかに異常。
多分160センチ位だったと思う。髪はバッサバサで腰まであって、簾みたいに顔にかかってた。っつーか顔にはお札みたいなのが何枚も貼ってあって見えなかった。なんて呼ぶのか分からないけど、亡くなった人に着せる白い和服を来て、小さい振り幅で左右に揺れてた。
俺はと言うと…、固まった。声も出なかったし一切体は動かなかったけど、頭の中では物凄い回転数で起きていることを理解しようとしてたと思う。
想像して欲しい。
狭い1Rに、音もない部屋の真ん中辺りに何かいるって状態を。
頭の中では原因は解りきっているのに起きてる事象を理解出来ないって混乱が渦を巻いてる。
とにかく異常だぞ? 灯りをつけてたけど、逆にそれが怖いんだ。 いきなり出てきたそいつが見えるから。 そいつの周りだけ青みがかって見えた。
時間が止まったと錯覚するくらい静かだったな。
169 リアル New! 2011/05/13(金) 11:37:34.51 ID:rKgs8JSd0
すまん、以下コテにリアルって乗せとくね。この話の題名。
とりあえず俺が出した結論は「部屋から出る」だった。 足元にある鞄を、何故かゆっくりと、慎重に手に取った。 そいつからは目が離せなかった。 目を離したらヤバいと思った。
後退りしながら廊下の半分(普通に歩いたら三歩くらいなのに、かなり時間がかかった)を過ぎた辺りでそいつが体を左右に振る動きが少しずつ大きくなり始めた。
と同時に何か呻き声みたいなのを出し始めた。
そこから先は、実はあんまり覚えてない。気が付くと駅前のコンビニに入ってた。
兎にも角にも、人のいるコンビニに着いて安心した。ただ頭の中は相変わらず混乱してて「何だよアレ」って怒りにも似た気持ちと、「鍵閉め忘れた」って変なとこだけ冷静な自分がいた。 結局その日は部屋に戻る勇気は無くて一晩中ファミレスで朝を待った。
空が白み始めた頃、恐る恐る部屋のドアを開けた。良かった。消えてた。
部屋に入る前に、もっかい外に出て缶コーヒーを飲みながら一服した。
実は何もいなかったんじゃないかって思い始めてた。本当にあんなん有り得ないしね。
明るくなったってのと、もういないってので少し余裕出来たんだろうね。
さっきよりはやや大胆に部屋に入った。
「よし、いない」何て思いながら、カーテンが閉まってるせいで薄暗い部屋の電気を着けた。
170 リアル New! 2011/05/13(金) 11:39:23.41 ID:rKgs8JSd0
昨晩の出来事を裏付ける光景が目に入ってきた。
昨日、アイツがいた辺りの床に物凄く臭いを放つ泥(多分ヘドロだと思う)が、それも足跡ってレベルを超えた量で残ってた。 起きた事を事実と再認識するまで、時間はかからなかった。
ハッと気付いてますますパニックになったんだけど、…俺、電気消してねーよ…ははっ。
スイッチ押した左手見たらこっちにも泥がついてんの。
しばらくはどんよりした気持ちから抜けられなかったが、出ちまったもんは仕方ねーなと思えてきた。
まぁここら辺が俺がAB型である典型的なとこなんだけど、そんな状態にありながら泥を掃除してシャワー浴びて出社した。
臭いが消えなくてかなりむかついたし、こっちはこっちで大問題だが会社を休むことも一大事だったからね。
会社に着くと、いつもと変わらない日常が待っていた。 俺は何とか○○と話す時間を探った。
事の発端に関係する○○から、何とか情報を得ようとしたのだ。
昼休み、やっと捕まえる事に成功した。 以下俺と○○の会話の抜粋。
俺「前にさぁ、話してた△すると◆が来るとかって話あったじゃん。昨日アレやったら来たんだけど。」
○○「は?何それ?」
俺「だからぁ、マジ何か出たんだって!」
○○「あー、はいはい。カウパー出たのね」
俺「おま、ふざけんなよ。やっべーのが出たってんだよ」
○○「何言ってんのかわかんねーよ!」
俺「俺だってわかんねーよ!!」
171 リアル New! 2011/05/13(金) 11:41:20.93 ID:rKgs8JSd0
駄目だ、埒があかない。 ○○を信用させないと何も進まなかったため、俺は淡々と昨日の出来事を説明した。 最初はネタだと思っていた○○もやっと半信半疑の状態になった。
仕事終わり、俺の部屋に来て確かめる事になった。
夜10時、幸いにも早めに会社を出られた○○と俺は部屋に着いた。 扉を開けた瞬間に今朝嗅いだ悪臭が鼻を突いた。 締め切った部屋から熱気とともに、まさしく臭いが襲ってきた。
帰りの道でもしつこいくらいの説明を俺から受けていた○○は「・・・マジ?」と一言呟いた。信じたようだ。
問題は○○が何かしら解決案を出してくれるかどうかだったが、望むべきではなかった。
とりあえず、お祓いに行った方がいいことと知り合いに聞いてみるって言葉を残し奴は逃げるように帰って行った。
予想通りとしか言いようがなかったが、奴の顔の広さだけに期待した。
臭いとこに居たくない気持ちからその日はカプセルホテルに泊まった。
今夜も出たら終わりかもしれないと思ったのが本音。
翌日、とりあえず近所の寺に行く。さすがに、会社どころじゃなかった。
お坊さんに訳を説明すると「専門じゃないから分からないですね~。しばらくゆっくりしてはいかがでしょう。きっと気のせいですよ」なんて呑気な答えが返ってきた。 世の中こんなもんだ。
その日は都内では有名な寺や神社を何軒か回ったがどこも大して変わらなかった。
疲れはてた俺は、埼玉の実家を頼った。
正確には、母方の祖母がお世話になっているS先生なる尼僧に相談したかった。っつーかその人意外でまともに取り合ってくれそうな人が思い浮かばなかった。
172 リアル New! 2011/05/13(金) 11:42:33.54 ID:rKgs8JSd0
ここでS先生なる人を紹介する。
母は長崎県出身で当然祖母も長崎にいる。
祖母は、戦争経験からか熱心な仏教徒だ。 S先生はその祖母が週一度通っている自宅兼寺の住職さんだ。
俺も何度か会ったことがある。 俺は詳しくはないが、宗派の名前は教科書に乗ってるくらいだから似非者の霊能者などとは比較にならないほどしっかりと仏様に仕えてきた方なのだ。
人柄は温厚、落ち着いた優しい話し方をする。
俺が中学に上がる頃親父が土地を買い家を建てることになった。 地鎮祭とでも言うんだっけ? 兎に角その土地をお祓いした。
その一週間後に長崎の祖母から「土地が良くないからS先生がお祓いに行く」という内容の電話があった。当然、母親的にも「もう終わってるのに何で?」ってことでそれを言ったらしい。 そしたら祖母から「でもS先生がまだ残ってるって言うたったい」って。
つまり、俺が知る限り唯一頼れる人物である可能性が高いのがS先生だった。
173 リアル New! 2011/05/13(金) 11:44:16.53 ID:rKgs8JSd0
日も暮れてきて、埼玉の実家があるバス停に着いた頃には夜9時を回る少し前だった。
都内と違い、工場ばかりの町なので夜9時でも人気は少ない。バス停から実家までの約20分を足早に歩いた。人気の無い暗い道に街灯が規則的に並んでいる。
内心、一昨日の事がフラッシュバックしてきてかなり怯えてたが、幸いにも奴は現れなかった。
が、夜になり涼しくなったからか俺は自分の身体の異変に気が付いた。
どうも首の付け根辺りが熱い。 伝わりにくいかと思うが、例えるなら首に紐を巻き付けられて左右にずらされているような感じだ。
首に手をやって寒気がした。熱い。首だけ熱い。 しかもヒリヒリしはじめた。どうも発疹のようなモノがあるようだった。
歩いてられなくなり、実家まで全力で走った。息を切らせながら実家の玄関を開けると母が電話を切るところだった。
そして俺の顔を見るなりこう言ったんだ。
「あぁ、あんた。長崎のお婆ちゃんから電話来て心配だって。S先生があんたが良くない事になってるからこっちおいでって言われたて。あんたなんかしたの?」
「あらやだ。あんた首の回りどうしたの!!?」
答える前に玄関の鏡を見た。奴が来るかもとか考えなかったな…、何故か。
首の回り、付け根の部分は縄でも巻かれているかのように見事に赤い線が出来ていた。
近づいてみると、細かな発疹がびっしり浮き上がっていた。
さすがに小刻みに身体が震えてきた。
何も考えずに、母にも一言も返事をせずに階段を駈け上がり、母の部屋の小さな仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返した。
そうする他、何も出来なかった。心配して親父が「どうした!!」と怒鳴りながら走って来た。 母は異常を察知して祖母に電話している。母の声が聞こえた。 泣き声だ。
逃げ場はないと、恐ろしい事になってしまっているとこの時やっと理解した…。
174 リアル New! 2011/05/13(金) 11:46:37.51 ID:rKgs8JSd0
実家に帰り、自分が置かれている状況を理解して3日が過ぎた。
精神的に参ったからか、それが何かしらアイツが起こしたものなのかは分からなかったが、2日間高熱に悩まされた。
首から異常なほど汗をかき、2日目の昼には血が滲み始めた。3日目の朝には首からの血は止まっていた。
元々滲む程度だったしね。熱も微熱くらいまで下がり、少しは落ち着いた。
ただ、首の回りに異常な痒さが感じられた。
チクチクと痛くて痒い。枕や布団、タオルなどが触れると鋭い、小さな痛みが走る。
血が出ていたから瘡蓋が出来て痒いのかと思い、意識して触らないようにした。
布団にもぐり、夕方まで気にしないように心掛けたが、便所に行った時にどうしても気になって鏡を見た。鏡なんて見たくもないのに、どうしても自分に起きてる事をこの目で確認しないと気が済まなかった。
鏡は見たこともない状況を写していた。
首の赤みは完全に引いていた。 その代わり、発疹が大きくなっていた。
今でも思い出す度に鳥肌が立つほど気持ち悪いが敢えて細かな描写をさせて欲しい。 気を悪くしないでくれ。
元々首の回りの線は太さが1cmくらいだった。 そこが真っ赤になり、元々かなり色白な俺の肌との対比で正しく赤い紐が巻かれているように見えていた。
これが3日前の事。 目の前の鏡に映るその部分には膿が溜まっていた。
…いや、正確じゃないな。
175 リアル New! 2011/05/13(金) 11:50:04.21 ID:rKgs8JSd0
正確には、赤い線を作っていた発疹には膿が溜まっていて、まるで特大のニキビがひしめき合っているようだった。
そのほとんどが膿を滲ませていて、あまりにおぞましくて気持ちが悪くなりその場で吐いた。
真水で首を洗い、軟膏を母から借り、塗り、泣きながら布団に戻った。 何も考えられなかった。唯一つ「何で俺なんだ」って憤りだけだった。
泣きつかれた頃、携帯がなった。○○からだった。
こういう時、ほんの僅かでも、希望って物凄いエネルギーになるぞ? 正直、こんなに嬉しい着信はなかった。
俺「もしもし」
○○「おぉ~!大丈夫~!?」
俺「ぃや…大丈夫な訳ねーだろ…」
○○「ぁー、やっぱヤバい?」
俺「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」
○○「ぅん」
○○「地元の友達に聞いてみたんだけどさ~、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない。」
俺「ぁー、で?」
正直、○○なりに色々してくれたとは思うがこの時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、かなり自己中な話し方に聞こえただろう。
○○「いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。紹介してもいいんだけど金かかるって…」
俺「!? 金とんの?」
○○「うん、みたい…。どーする?」
俺「どんくらい?」
○○「知り合いの話だととりあえず五十万くらいらしい…」
俺「五十万~!?」
当時の俺からすると働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。 選択肢は無かった。
俺「…分かった。いつ紹介してくれる?」
○○「その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるからちょっと待ってて。」
176 リアル New! 2011/05/13(金) 11:52:07.62 ID:rKgs8JSd0
話が前後するが、俺が仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返していた時、母は祖母に電話をかけていた。
祖母からすぐにS先生に相談が行き(相談と言うよりも助けて下さいってお願いだったらしいが)、最終的にはS先生がいらしてくれる事になっていた。
ただし、S先生もご多忙だし何より高齢だ。こっちに来れるのは三週間先に決まった。
つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと気持ちが落ち着かなかった。
○○が電話を折り返してきたのは夜11時を過ぎた頃だった。
○○「待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって。」
俺「明日?」
○○「ほら、明日日曜じゃん?」
そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。不思議と会社の事を忘れてたな。
俺「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」
○○「家まで行くって。車で行くらしいから住所メールしといて」
俺「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」
○○「行く行く」
俺「金、後でも大丈夫かな?」
○○「多分大丈夫じゃね?」
俺「分かった。近くまで来たら電話して」
何とも段取りの悪い話だが、若僧だった俺には仕方の無い事だった。
177 リアル New! 2011/05/13(金) 11:54:39.71 ID:rKgs8JSd0
その晩、夢を見た。 寝てる俺の脇に、白い和服をきた若い女性が正座していた。 俺が気付くと、三指をつき深々と頭を下げた後部屋から出ていった。
部屋から出る前にもう一度深々と頭を下げていた。
この夢がアイツと関係しているのかは分からなかったが。
翌日、昼過ぎに○○から連絡が来た。 電話で誘導し出迎えた。
来たのは○○とその友達、そして三十代後半くらいだろう男が来た。
普通の人だと思えなかったな。 チンピラみたいな感じだったし、何の仕事をしてるのか想像もつかなかった。
俺がちゃんと説明していなかったから両親が訝しんだ。 まず間違いなく偽名だと思うが男は林と名乗った。
林「T君の話は彼から聞いてましてね。まー厄介な事になってるんです。」
(今さらですまん。Tとは俺、会話中の彼は○○だと思って読んでくれ。)
父「それで林さんはどういった関係でいらしていただいたんですか?」
林「いやね、これもう素人さんじゃどーしようもなぃんですよ。
お父さん、いいですか?信じられないかも知れませんがこのままだとT君、危ないですよ?」
林「で、彼が友達のT君が危ないから助けて欲しいって言うんでね、ここまで来たって訳なんですよ」
母「Tは危ないんでしょうか?」
林「いやね、私も結構こういうのは経験してますけどこんなに酷いのは初めてですね。この部屋いっぱいに悪い気が充満してます」
父「…」
父「失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」
林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ」
林「でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」
182 リアル New! 2011/05/13(金) 12:05:40.53 ID:rKgs8JSd0
母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」
林「それはもう、任せていただければ。こーいうのは私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。
ただね、お母さん。こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。ね、分かるでしょ?」
父「いくらあればいいんです?」
林「そうですね~、まぁ二百はいただかないと…。」
父「えらい高いな!?」
林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うからわざわざ時間かけて来てるんですよ?
嫌だって言うならこっちは別に関係無いですからね~。でも、たった二百万でT君助かるなら安いもんだと思いますけどね」
林「それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
分かる人なんて一握りなんですわ。また、一から探すんですか?」
俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。
結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。
183 リアル New! 2011/05/13(金) 12:09:34.66 ID:rKgs8JSd0
林は早速今夜に除霊をすると言い出した。 準備をすると言い、一度出掛けた。(出がけに両親に準備にかかる金をもらって行った)
夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、日本酒だと思うがそれを杯に注いだ。
何となくそれっぽくなって来た。
林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから」
林「お父さん、お母さん。すみませんが一旦家から出ていってもらえますかね?もしかしたら霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」
両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。 日も暮れて、辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。林からそうするように言われたからだ。
お祓いが始まってから大分たった。
お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。
最初こそ気付かなかったが首がやけに痛い。 痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっているとお経が止まった。
しかしおかしい。
良く分からないが区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。 何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。
寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。
185 リアル New! 2011/05/13(金) 12:11:57.15 ID:rKgs8JSd0
目を開けたらいけない。それだけは絶対にしてはいけない。分かってはいたが…。開けてしまった。
目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。
林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。
目を開けると、林と向き合うように俺を挟んでアイツが正座していた。 膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。
林の顔とアイツの顔の間には拳一つ分くらいの隙間しかなかった。
不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、聞き取れないがぼそぼそと呟きながら林の顔を覗き込んでいた。
今思うと林に何かを囁いていたのかもしれない。
林は…少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。少し顔が笑っていたように見えた。 時々小さく頷いていた。
俺は、瞬きも忘れ凝視していた。 不意にアイツの首が動きを止めた。 次の瞬間、顔を俺に向けた。
俺は…慌てて目をギュッと閉じ、布団を被りひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。 恐ろしかった。
ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。 林が逃げ出したようだ。
俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。
両親が来て、電気を着けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。
林は、両親に見向きもせず車に乗り込み、まっていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。
解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。
우선 무언가가 씌이거나 들러붙게 되면, 정말로 장난이 아니라는 것을 말해 두고 싶다.
내 경험으로 보면, 한 두 번 퇴마를 해서 무사해지는 일은 거의 없다.
오랜 기간동안 천천히 갉아먹히니까.
퇴마가 아예 불가능한 경우가 더 많긴 했다.
대략 2년 반 쯤 전.
미리 말해두자면, 나는 지금 사지도 멀쩡하고 남들처럼 살아가고 있다.
단, 그 일이 완전히 끝났는 지는 분명치 않다.
그 때 나는 스물 셋이었다.
취직 한 지도 일 년밖에 안 되었을 때라 살아가는 것만으로 벅찼다.
회사 규모가 작아서 입사 동기도 적었고 동기들 사이가 좋을 수밖에 없었다.
그 동기 중에 토호쿠 지방 출신인 OO라는 녀석이 있었는데
이 녀석은 아는 것도 많았고 인맥도 넓었다.
그런데 흔히 하는 이야기들 중에
~~을 하면 XX해 진다던가, △△가 온다던가 하는 이야기가 있다.
그런 이야기들은 대부분이 거짓말이라고 생각하지만
개중에 몇 개는 정말로 그렇게 되는 경우가 있다고 한다.
그 녀석이 말하기로는 우연히 몇 개의 조건이 갖춰지면 정말로 그런 일이 일어날 수도 있다고 한다.
내 경우에는 장난 때문이었다.
당시엔 차를 뽑은 지도 얼마 안 되었고 독립한 지 얼마 안 되어
아르바이트하던 때와는 비교도 되지 않는 수입 덕분에 주말에는 줄곧 놀러 나가곤 했다.
8월 초에 헌팅으로 친해진 여자애들과 OO, 그리고 나까지 넷이서
소위 말하는 심령 스팟에 담력 테스트를 하러 갔다.
그 곳은 정말 무서웠고 한기도 들었고
뭔가가 있는 듯한 느낌도 들었지만
딱히 아무런 일도 일어나지 않았고 적당히 스릴을 만끽하다 돌아왔다.
그리고 사흘 후였다.
그 당시 다니던 회사는 상사가 퇴근할 때까지 신입은 퇴근할 수 없다는
암묵적 룰이 있어서 매일 퇴근이 늦어지곤 했다.
피곤에 찌들어 집으로 돌아와서
정말 지금 생각해 보면 이해가 가지 않지만
나는 방 입구에 있는 전신 거울 앞에서 '해서는 안 될 일'을 해 버렸다.
한 번 시험해 봐야겠다는 생각을 한 것도 아니고
그냥 문득 충동이 일었던 것 뿐이었던 것 같다.
디테일한 설명을 하자면
당시 내 방은 역에서 걸어서 15분, 4평 정도의 원룸이었다.
현관을 들어서면 좁은 복도가 있고 그 끝에는 방이 있었다.
전신 거울은 방의 입구, 즉 복도와 방의 경계에 놓여 있었다.
내가 OO에게 들은 이야기로는
거울 앞에서 △을 한 채로 오른쪽을 보면 ◆가 나온다는 것이었다.
"진짜로 나올 리가 없지."
그렇게 중얼거리며 오른쪽을 쳐다 보았을 때였다.
방 한 가운데에 무언가가 있었다.
확실히 이상한 모습이었다.
키는 160cm정도였던 것 같다.
퍼석퍼석한 머리카락은 허리까지 내려왔고
머리카락은 얼굴에 걸려 얼굴이 제대로 보이지 않았다.
실은 머리카락때문이라기보다는
얼굴에 부적 같은 것이 몇 장씩이나 붙어 있어서 보이지 않았다.
그걸 뭐라고 하는 지는 모르겠지만, 죽은 사람에게 입히는 흰 옷을 입었고
좌우로 흔들거리고 있었다.
나는 꼼짝할 수가 없었다.
목소리도 나오지 않았고 몸도 움직이지 않았지만
머릿 속으로는 지금 일어난 일을 이해해 보려 머리를 굴리고 있었다.
상상해 봤으면 좋겠다.
좁은 원룸 고요한 방 한가운데에 무언가가 있는 상황을.
원인이 무엇인지는 너무도 잘 알고 있는데도
사태를 이해할 수 없다는 혼란이 소용돌이쳤다.
어쨌든 불을 켜 보았는데 오히려 더 무서웠다.
갑자기 나온 그 녀석이 눈에 보여서.
그 녀석의 주변만 푸르스름해 보였다.
시간이 멈췄다고 착각할 정도로 조용했다.
우선 내가 내린 결론은 '방에서 나가자'는 것이었다.
발치에 떨어뜨린 가방을 천천히 집어 들었다.
그 녀석에게서 눈을 돌릴 수는 없었다.
시선을 돌리면 위험해 질 것 같았다.
뒷걸음질 치며 복도를 반쯤 지나왔을 무렵
그 녀석이 몸을 좌우로 흔드는 움직임이 조금씩 더 커지기 시작했다.
그리고 무슨 신음 소리같은 것을 내기 시작했다.
그 이후의 일은 자세히 기억나지 않는다.
정신을 차려 보니 옆 앞 편의점이었다.
어찌되었든 사람이 있는 편의점에 도착해서 안심했다.
하지만 여전히 머릿속에서는 '저게 대체 뭐야'하는 분노에 가까운 감정과
'문 잠그는 거 깜빡했다'하는 이상하게 현실적인 생각이 들었다.
결국 그 날은 방에 돌아갈 용기가 나지 않아 패밀리 레스토랑에서 아침이 밝기를 기다렸다.
하늘이 밝아 오기 시작했을 무렵
쭈뼛쭈뼛 문을 방 문을 열었다.
다행이다.
보이지 않았다.
방에 들어 가기 전에 다시 한 번 밖에 나가 캔 커피를 마시며 담배를 태웠다.
원래부터 아무 것도 없었던 게 아닐까 하는 생각이 들기 시작했다.
그런 게 있다는 것 자체가 말이 안 된다.
아까보다는 좀 더 대담하게 방에 들어갔다.
'그래. 없는 거야.'
그런 생각을 하며 어두운 방에 전등을 켰다.
지난 밤에 일어난 일들을 증명이라도 하는 듯한 광경이 눈에 들어 왔다.
그 녀석이 있던 곳의 바닥에 엄청난 냄새를 풍기는 진흙이 질척이고 있었다.
문득 알아차렸다.
방을 나설 때 불을 끄지 않았다.
전등 스위치를 누른 왼손을 보니 그 곳에도 진흙이 묻어 있었다.
잠시 암울한 기분에 휩싸였지만, 이미 나와 버린 건 어쩔 수 없다는 생각이 들었다.
그런 일이 벌어졌지만 나는 진흙을 청소하고 샤워를 하고 출근했다.
이것도 큰 문제였지만 회사를 쉴 수도 없었으니까.
회사에 도착하자 평소와 변함없는 일상이 기다리고 있었다.
나는 어떻게든 OO와 이야기를 나눌 시간을 만들었다.
일의 발단과 관계가 있는 OO에게서 어떤 정보라도 알아내 보려 했다.
점심 시간이 되어 겨우 OO를 붙잡는 데 성공했다.
나: "전에 말이야. △하면 ◆가 나온다는 얘기 했었잖아.
어제 그걸 했더니 진짜로 나왔어."
OO: "뭐? 무슨 말 하는 거야?"
나: "그러니까, 그게 진짜로 나왔다고!"
OO: "아아~ 알았어 알았어."
나: "장난하는 거 아니야. 정말로 위험한 게 나왔단 말이야."
OO: "대체 무슨 말을 하는 거야!"
나: "나도 몰라!"
안 되겠다. 해결이 안 되겠어.
OO가 믿어주지 않으면 아무 것도 해결 되지 않을 것 같아서
나는 담담히 어제 있었던 일을 설명했다.
처음에는 허풍이라고 생각하던 OO도 점점 반신반의하기 시작했다.
퇴근 후에 내 방에 함께 가서 확인하기로 했다.
밤 10시. 운 좋게도 일찌감치 퇴근을 할 수 있었던 OO와 나는 방에 도착했다.
문을 열자마자 아침에 맡았던 악취가 코를 찔렀다.
문을 닫은 방에서는 열기와 함께 악취가 풍겼다.
퇴근 길에 지겹도록 내 설명을 들은 OO는 "...진짜야?" 하고 나직이 중얼거렸다.
믿어 준 모양이다.
문제는 OO가 해결책을 제시해 줄 수 있느냐는 것이었지만
썩 의지가 되지는 않았다.
우선 퇴마하러 가는 게 좋겠다는 말과
아는 사람에게 물어 보겠다는 말만을 남기고 그 녀석은 도망치듯 돌아갔다.
예상은 했지만 녀석의 인맥에 기대를 걸어 볼 수밖에 없었다.
그 날 밤은 캡슐 호텔에 묵었다.
오늘 밤에도 다시 나오면 정말 끝장일 지도 모르겠다고 생각했다.
날이 밝자 우선 근처 절에 갔다.
회사가 중요한 상황이 아니었다.
스님에게 사정을 설명하자
"그 쪽 전문이 아니라 잘 모르겠군요.
마음을 차분히 가져 보시는 게 어떨까요. 분명 기분 탓일 겁니다."
마음을 차분히 가져 보시는 게 어떨까요. 분명 기분 탓일 겁니다."
이런 팔자좋은 대답만 돌아왔다.
그 날은 근처 유명한 절과 신사를 몇 군데나 돌았지만
모두 비슷한 반응이었다.
지쳐버린 나는 사이타마에 있는 부모님 댁을 의지해 보기로 했다.
정확히 말하자면, 외할머니가 종종 신세를 지고 있는 S선생님이라는 비구니에게 상담을 하고 싶었다.
솔직히 그 사람 말고는 진지하게 내 말을 들어 줄 사람이 떠오르지 않았다.
S선생님에 대한 소개를 하겠다.
어머니는 나가사키 출신이고 외할머니도 나가사키에 계신다.
외할머니는 열렬한 불교도다.
S선생님은 외할머니가 매주 다니는 절 겸 자택의 주지 스님이다.
나도 몇 번인가 만난 적이 있다.
자세한 건 잘 모르지만, 종파명은 교과서에도 실려 있을 정도니까
어중이떠중이들과는 비교도 되지 않을 정도로 제대로 불교에 귀의한 분이다.
인품은 온후하고 말투도 차분하다.
내가 중학교에 올라가던 무렵 아버지가 땅을 사서 집을 짓기로 했다.
고사를 지낸다고 하던가? 어쨌든 그 땅을 제령했다.
그리고 1주일 후에 나가사키의 외할머니에게서
"땅이 좋지 않으니 S선생님이 제령을 하러 가신다"는 내용의 전화가 걸려 왔다.
당연히 어머니도 이미 다 했는데 왜 그러시냐는 말씀을 드렸다.
그랬더니 외할머니는 "그래도 S선생님이 아직 남아있다고 하신다" 라고 하셨다.
다시 말해, 내가 아는 사람 중에 가장 의지할 만한 사람일 가능성이 높은 사람이 S선생님이었다.
날도 저물고, 사이타마의 부모님 댁 근처 정류장에 도착했을 때는 밤 9시 쯤이었다.
도시와는 달리 공장뿐인 마을이라 9시밖에 되지 않았는데도 사람이 뜸했다.
정류장에서 집까지의 약 20분 동안 빠르게 걸었다.
인적없는 어두운 길에 가로등만이 늘어서 있었다.
내심 그저께 있었던 일들이 떠올라 겁이 났지만
다행히도 그 녀석은 나타나지 않았다.
그렇지만 밤이 되고 서늘해져서인지 나는 내 몸이 이상하다는 걸 알아차렸다.
아무래도 목이 뜨거웠다.
설명하기는 어렵지만, 예를 들자면 목에 끈을 감아 불을 피우는 것처럼 좌우로 번갈아 잡아당기는 느낌이었다.
목에 손을 대어 보았지만 한기가 들었다.
뜨겁다. 목만 뜨거웠다.
그리고 아릿해지기 시작했다.
발진같은 게 생긴 모양이었다.
느긋하게 걸어갈 수가 없어서 집까지 온 힘을 다해 뛰었다.
숨을 헐떡이며 집 현관 문을 열자 어머니가 마침 전화를 끊고 있었다.
그리고 내 얼굴을 보자마자 이렇게 말했다.
"어머. 방금 나가사키에 계신 외할머니가 전화를 하셨는데 걱정을 하시더구나.
S선생님이 네게 안 좋은 일이 생겼으니 와 보라고 하셨대.
너 괜찮은 거니? 어머나. 너 목이 왜 그러니?"
대답하기 전에 현관 문의 거울을 보았다.
목 주변이 끈에 휘감긴 것처럼 붉은 줄이 생겨 있었다.
가까이 다가가 보자 가느다란 발진이 부어 올라 있었다.
나도 모르게 몸이 부들부들 떨렸다.
어머니에게 아무런 대답도 하지 않고 계단을 뛰어 올라가
어머니 방에 있는 자그마한 불상 앞에서 나무아미타불을 되뇌었다.
그렇게밖에는 할 수 없었다.
걱정한 아버지가 "왜 그래!!" 소리를 지르며 달려 왔다.
어머니는 이상을 감지하고는 외할머에게 전화를 하고 있다.
어머니의 목소리가 들린다. 울먹이는 목소리다.
비로소 이때서야 나는 도망칠 곳 없는 위험한 상황에 빠지게 되었다는 걸 깨달았다.
집에 돌아와 내가 처해 있는 상황을 이해하고 사흘이 지났다.
정신적으로 황폐해져서인지, 그 녀석이 친 장난인지는 모르겠지만 이틀간 고열에 시달렸다.
목에서는 이상할 정도로 땀을 흘렸고 이틀 째 낮에는 피가 배어나오기 시작했다.
사흘 째 아침에는 목에서 나오던 피는 멈추었다.
열도 미열 정도로 내려서 조금은 안정이 되었다.
다만 목 주변이 이상하게 가려웠다.
쿡쿡 찌르듯이 아프고 가렵다.
베개와 이불, 수건에 닿으면 날카로운 아픔이 느껴졌다.
피가 났으니까 딱지가 생겨서 가려운 거려나 하고 일부러 만지지 않도록 신경썼다.
이불에 파묻혀 저녁까지 신경쓰지 않으려 했는데
화장실에 갔을 때는 아무래도 신경이 쓰여 거울을 봤다.
거울같은 건 보고 싶지도 않았는데도
자신에게 일어난 일을 직접 눈으로 보고 확인하지 않으면 안 될 것 같았다.
거울에는 본 적도 없는 몰골이 비춰져 있었다.
불그스름한 자국은 가라 앉았다.
대신 발진이 더 커져 있었다.
지금도 떠올릴 때마다 닭살이 돋을 정도로 기분이 나빠진다.
원래 목에 나 있던 붉은 줄은 두께가 1cm정도였다.
내 살이 좀 흰 편이어서 목에 붉은 끈을 감아 놓은 것처럼 보였다.
그게 사흘 전에 있었던 일.
눈 앞의 거울에 비친 목의 붉은 줄에는 농이 들어차 있었다.
더 정확히 말하자면 커다란 여드름이 줄지어 늘어서 있는 것 같았다.
너무도 역겨워서 그 자리에서 토하고 말았다.
물로 목을 씻고 연고를 바르고 나서 울며 잠자리에 들었다.
아무 생각도 할 수가 없었다.
그저 '왜 나인 거지'하는 분노뿐이었다.
울기도 지쳤을 무렵 휴대전화가 울렸다.
OO이었다.
이렇게 기쁜 전화는 없었다.
나: "여보세요"
OO: "오오~ 괜찮아?"
나: "아니.. 괜찮을 리가 있겠냐."
OO: "아.. 진짜 위험한 거야?"
나: "위험하고 말고 한 정도가 아니야.
하아... 것보다 뭐 좋은 소식 없어?"
OO: "음.. 고향 친구한테 물어봤는데, 알 만한 녀석이 없어서... 미안하다."
나: "어.. 그래서?"
물론 OO도 자기 나름대로 여러 가지 신경을 써 주었겠지만
당시의 나는 상대를 배려할 만한 마음의 여유가 없었다.
OO: "그 대신에 친구가 아는 사람 중에 그런 쪽에 강한 사람이 있대.
그런데 돈이 좀 든다는데..."
나: "뭐? 돈을 받는다고?"
OO: "응. 그런 것 같아... 어떻게 할래?"
나: "얼마나?"
OO: "친구 말로는 대충 50만엔 정도..."
나: "50만 엔?!!"
취직을 한 상태였긴 했지만 50만엔을 지불할 수는 없는 형편이었다.
돈이 아깝긴 했지만 공포와 고통에서 해방될 수만 있다면...
선택의 여지가 없었다.
나: "알겠어. 언제 소개해 줄 건데?"
OO: "그 사람 지금 군마에 있대. 친구한테 물어볼 테니까 조금 더 기다려 줘."
한편 내가 불상 앞에서 나무아미타불만을 되뇌고 있었을 때
어머니는 외할머니에게 전화를 걸었다.
외할머니는 바로 S선생님께 상담을 하고
결론적으로 S선생님이 와 주시기로 했다.
그런데 S선생님도 여러가지로 바쁘시고 무엇보다 연세가 있으셨다.
이 쪽으로 와 주시는 건 3주 뒤로 정해졌다.
다시 말해 3주 동안은 불안과 공포, 무슨 일이 벌어져도 이상하지 않은 상황에서 벗어날 수가 없는 것이다.
이런 상황에서 조금이라도 빨리 할 수 있는 모든 일을 다 해 두지 않으면 마음이 안정되질 않았다.
OO가 다시 전화를 걸어 온 건 밤 11시가 지났을 무렵이었다.
OO: "기다리게 해서 미안하다. 내일 갈 수 있대."
나: "내일?"
OO: "그래. 내일 일요일이잖아?"
그런가. 어느 샌가 그 녀석을 처음 보고 나서 5일이 지났다.
신기하게도 회사 생각은 전혀 나지 않았다.
나: "알겠어. 고맙다. 우리 집까지 와 주는 거야?"
OO: "집까지 간대. 차로 갈 테니까 주소 좀 보내 줘."
나: "너는 어떻게 할 건데? 와 줬으면 좋겠는데."
OO: "갈게."
나: "돈은 나중에 줘도 괜찮을까?"
OO: "아마 괜찮지 않을까?"
나: "알겠어. 근처에 오면 전화해."
그 날 밤. 꿈을 꾸었다.
자고 있는 내 옆에 하얀 기모노를 입은 젊은 여자가 앉아 있었다.
내가 그녀의 존재를 알아차리자
손을 땅에 짚고 허리를 숙여 담담히 인사를 하고는 방에서 나갔다.
방에서 나가기 직전에 다시 한 번 담담히 목례를 했다.
이 꿈이 그 녀석과 상관이 있는 지는 그 땐 몰랐다.
이튿 날. 오후에 OO에게서 연락이 왔다. 전화로 길을 알려주고 맞이하러 나갔다.
OO와 OO의 친구, 그리고 30대 후반 정도로 보이는 남자가 왔다.
보통 사람같아 보이지는 않았다.
약간 건달같은 느낌에 무슨 일을 하는 사람인 지 짐작조차 할 수 없었다.
부모님께는 미리 설명을 드리지 않아서 처음엔 수상해 하셨다.
그 남자는 아마도 가명일 테지만 자신의 이름을 '하야시'라고 했다.
하야시: "T군(나) 이야기는 들었습니다. 번거로운 일에 휘말린 것 같군요."
아버지: "그런데 하야시 씨는 어쩐 일로 오셨는지요?"
하야시: "그게 말이죠. 이런 일은 초짜가 함부로 건드리면 해결이 안 나거든요.
아버님. 아시겠습니까? 믿지 못하실 지도 모르겠지만
이대로라면 T군은 위험할 겁니다."
아버지: "T가 정말 위험한 겁니까?"
하야시: "저도 이 쪽 방면 일은 꽤 경험이 있지만 이렇게 심한 경우는 처음이군요.
이 방 가득 나쁜 기운이 가득차 있습니다."
아버지: "......실례지만 하야시 씨의 직업을 물어도 되겠습니까?"
하야시: "아.. 신경쓰이십니까? 그야 갑자기 나타나서 이런 이야기를 하면 수상하시겠죠.
그렇지만 제대로 제령을 하고 정화하지 않으면 T군은 정말로 끌려 가 버릴 겁니다."
어머니: "저기... 하야시 씨에게 부탁을 드려도 될까요?"
하야시: "그야 맡겨 주시기만 한다면야. 이런 일은 저같은 전문가가 아니면 안 되거든요.
다만 이 쪽도 위험을 떠안게 되니 조금은 성의를 보여 주셔야....
무슨 말씀인지 아시죠?"
아버지: "얼마 쯤이면 되겠습니까?"
하야시: "뭐.. 200 정도는 주셔야..."
아버지: "그렇게 비싸다니!"
하야시: "그래도 친구를 구해 달라고 부탁을 하길래 시간을 내서 여기까지 온 겁니다.
싫으시다면 저야 아무 상관도 없긴 합니다만.
그치만 단 200만 엔에 아드님을 구할 수 있다면 저렴한 가격이라고 생각합니다.
게다가 T군 절에 갔을 때 제대로 상대해 주지 않았죠?
이런 일에 대해 잘 아는 사람은 극소수입니다.
다시 아무런 정보도 없이 전문가를 찾아 볼 생각이십니까? "
나는 묵묵히 듣고 있었다.
200만이라는 말을 들었을 때엔 OO쪽을 보았지만 OO도 찜찜한 표정을 하고 있었다.
부모님은 그 쪽 방면에 대해 전혀 아는 바가 없어서 결국 그대로 하야시에게 맡기기로 했다.
하야시는 바로 밤에 제령을 하겠다고 했다.
준비를 하겠다며 자금을 받아 밖으로 나갔다.
하야시는 저녁이 되어 돌아왔고 양초를 세우고 부적같은 종이를 온 방 안에 붙이고
수정 구슬을 두고 염주를 쥐고 잔에 일본주를 따랐다.
대충 그럴 듯한 모양새를 갖추었다.
"T군. 이제부터 제령을 할 거야. 이젠 괜찮을 테니 걱정 마.
아버님 어머님. 죄송하지만 집에서 나가 주시겠습니까?
어쩌면 영이 다른 사람에게 들러 붙을 수도 있습니다."
부모님은 찝찝하지만 바깥에 있는 차에서 대기하기로 했다.
날도 저물고 주변이 어둑해졌을 무렵에 제령이 시작되었다.
하야시는 불경같은 것을 외우며 일정한 타이밍으로 잔에 손가락을 적시고
그 물방울이 나에게 튀도록 했다.
나는 반신반의한 채로 이불에 누워 눈을 감고 있었다.
하야시가 그렇게 하도록 지시했기 때문이다.
제령이 시작되고 시간이 꽤 흘렀다.
경을 외던 목소리가 중간 중간 뚝뚝 끊기기 시작했다.
당시엔 바로 알아차리지 못했는데 목이 몹시 아팠다.
가려움을 뛰어 넘어 명백한 아픔이 느껴졌다.
눈을 뜨지 않으려 이를 악물고 가려움을 견디고 있으려니 경을 외던 목소리가 뚝 멈추었다.
그런데 이상햇다.
경에 대해 잘은 모르지만 마무리가 덜 된 느낌이 들었다.
그리고 독경이 끝났는데도 하야시가 아무런 말도 꺼내지 않았다.
무엇보다 목의 아픔이 가라앉지 않고 오히려 더욱 심해졌다.
한기마저 들고 무언가가 이불 위에 올라타 있는 느낌이 들었다.
눈을 뜨면 안 된다.
절대로 눈을 떠서는 안 된다.
알고는 있었지만... 눈을 뜨고 말았다.
눈을 뜨자 무서운 광경이 눈에 들어 왔다.
하야시는 이불에 누워 있던 내 오른 편에 앉아 제령을 하고 있었다.
그 녀석은 나와 하야시 사이에 무릎을 꿇고 앉아 하야시를 마주 보고 있었다.
무릎 위에는 가지런히 손을 두고 상반신만 숙여 하야시의 얼굴을 들여다 보고 있다.
하야시와 그 녀석의 얼굴 사이에는 주먹 하나 정도가 들어갈 만한 틈밖에 없었다.
녀석은 신기하다는 듯이 고개를 갸웃하며 마치 올빼미처럼 머리를 움직이면서
잘 알아들을 수는 없지만 어떤 말을 중얼거리며 하야시의 얼굴을 들여다 보고 있었다.
지금 생각해 보면 하야시에게 무언가를 속삭이고 있었던 건 지도 모른다.
하야시는 약간 고개를 떨구듯 시선을 아래로 떨어뜨린 채로 미동도 않고
맥없이 입을 벌린 채로 침을 질질 흘리고 있었다.
약간 미소를 띈 것처럼 보이기도 했다.
때때로는 미세하게 고개를 끄덕였다.
나는 눈도 깜빡이지 않고 계속 바라보았다.
갑자기 그 녀석의 고개가 움직임을 멈추었다.
그리고 그 고개는 나를 향했다.
나는 서둘러 눈을 질끈 감고 이불을 뒤집어 쓰고 오로지 나무아미타불을 되뇌었다.
내 얼굴 바로 앞에서 그 녀석이 올빼미처럼 고개를 갸웃하고 있을 광경이 눈 앞에 선했다.
너무 무서웠다.
쿠당탕탕 계단을 내려가는 소리가 들렸다.
하야시가 도망친 것 같았다.
나는 너무도 두려워서 계속 이불 속에 파묻혀 숨어 있었다.
부모님이 와서 전등을 켜고 이불을 벗겨냈을 때
나는 몸을 둥글게 만 채로 굳어 있었다고 한다.
하야시는 부모님에게 한 마디 말도 없이 그대로 차에 올라타서
기다리고 있던 OO,OO의 친구와 함께 어딘가로 사라졌다.
나중에 OO에게 들은 이야기로는 "출발시켜."라는 말 이외에는 아무런 말도 하지 않았다고 한다.
해결은 커녕 더욱더 나쁜 상황에 빠진 나에게
3주 동안 S선생님을 기다릴 여유같은 건 남아있지 않았다.
역시 길이가 길면 의욕이 뚝뚝 떨어져...
하지만 아직 하편 번역이 남았다!!!!!
하지만 아직 하편 번역이 남았다!!!!!
http://horror-terror.com/c-real/entry_6999.html
POINT:62点/112人 Good:74.1%
この怖い話を携帯で見るそこまで面白いことでもないし、長くしないように気をつけるが多少は目をつぶって欲しい。
では書きます。
何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。
もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。
俺の場合は大体2年半位。
一応、断っておくと五体満足だし人並みに生活できてる。
ただ、残念ながら終わったかどうかって点は定かじゃない。
まずは始まりから書くことにする。
当時俺は23才。 社会人一年目って事で新しい生活を過ごすのに精一杯な頃だな。会社が小さかったから当然同期も少ない、必然的に仲が良くなる。
その同期に東北地方出身の○○って奴がいて、こいつがまた色んな事を知ってたりやけに知り合いが多かっりした訳。
で、よくこれをしたら××になるとか△△が来るとかって話あるじゃない?
あれ系の話はほとんどガセだと思うんだけど、幾つかは本当にそうなってもおかしくないのがあるらしいのよ。
そいつが言うには何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないかって。
俺の時は、まぁ悪ふざけが原因だろうな。 当時は車を買ってすぐだったし、一人暮らし始めて間もないし、何よりバイトとは比べ物にならない給料が入るんで週末は遊び呆けてた。
8月の頭に、ナンパして仲良くなった子達と○○、そして俺の計4人で所謂心霊スポットなる場所に肝試しに行ったわけさ。
その場は確かに怖かったし、寒気もしたし何かいるような気がしたりとかあったけども、特に何も起こらず、まぁスリルを満喫して帰った訳だ
疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、部屋の入口にある姿見の前で、「してはいけないこと」をやったんだ。
試そうとか考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。
少し細かな説明をする。当時の俺の部屋は駅から徒歩15分、八畳1R、玄関から入ると細い廊下がありその先に八畳分の部屋がある。 姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いていた。
俺が○○から聞いていたのは、鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来るとか言う話だった。
体勢的にちょっとお辞儀をしているような格好になる。
「来るわけねぇよな」なんて呟きながら、お辞儀のまま右向いた時だった。
部屋の真ん中辺りに何かいた。 見た目は明らかに異常。
多分160センチ位だったと思う。髪はバッサバサで腰まであって、簾みたいに顔にかかってた。っつーか顔にはお札みたいなのが何枚も貼ってあって見えなかった。なんて呼ぶのか分からないけど、亡くなった人に着せる白い和服を来て、小さい振り幅で左右に揺れてた。
俺はと言うと…、固まった。声も出なかったし一切体は動かなかったけど、頭の中では物凄い回転数で起きていることを理解しようとしてたと思う。
想像して欲しい。
狭い1Rに、音もない部屋の真ん中辺りに何かいるって状態を。
頭の中では原因は解りきっているのに起きてる事象を理解出来ないって混乱が渦を巻いてる。
とにかく異常だぞ? 灯りをつけてたけど、逆にそれが怖いんだ。 いきなり出てきたそいつが見えるから。 そいつの周りだけ青みがかって見えた。
時間が止まったと錯覚するくらい静かだったな。
とりあえず俺が出した結論は「部屋から出る」だった。 足元にある鞄を、何故かゆっくりと、慎重に手に取った。 そいつからは目が離せなかった。 目を離したらヤバいと思った。
後退りしながら廊下の半分(普通に歩いたら三歩くらいなのに、かなり時間がかかった)を過ぎた辺りでそいつが体を左右に振る動きが少しずつ大きくなり始めた。
と同時に何か呻き声みたいなのを出し始めた。
そこから先は、実はあんまり覚えてない。気が付くと駅前のコンビニに入ってた。
兎にも角にも、人のいるコンビニに着いて安心した。ただ頭の中は相変わらず混乱してて「何だよアレ」って怒りにも似た気持ちと、「鍵閉め忘れた」って変なとこだけ冷静な自分がいた。 結局その日は部屋に戻る勇気は無くて一晩中ファミレスで朝を待った。
空が白み始めた頃、恐る恐る部屋のドアを開けた。良かった。消えてた。
部屋に入る前に、もっかい外に出て缶コーヒーを飲みながら一服した。
実は何もいなかったんじゃないかって思い始めてた。本当にあんなん有り得ないしね。
明るくなったってのと、もういないってので少し余裕出来たんだろうね。
さっきよりはやや大胆に部屋に入った。
「よし、いない」何て思いながら、カーテンが閉まってるせいで薄暗い部屋の電気を着けた。
昨日、アイツがいた辺りの床に物凄く臭いを放つ泥(多分ヘドロだと思う)が、それも足跡ってレベルを超えた量で残ってた。 起きた事を事実と再認識するまで、時間はかからなかった。
ハッと気付いてますますパニックになったんだけど、…俺、電気消してねーよ…ははっ。
スイッチ押した左手見たらこっちにも泥がついてんの。
しばらくはどんよりした気持ちから抜けられなかったが、出ちまったもんは仕方ねーなと思えてきた。
まぁここら辺が俺がAB型である典型的なとこなんだけど、そんな状態にありながら泥を掃除してシャワー浴びて出社した。
臭いが消えなくてかなりむかついたし、こっちはこっちで大問題だが会社を休むことも一大事だったからね。
会社に着くと、いつもと変わらない日常が待っていた。 俺は何とか○○と話す時間を探った。
事の発端に関係する○○から、何とか情報を得ようとしたのだ。
昼休み、やっと捕まえる事に成功した。 以下俺と○○の会話の抜粋。
俺「前にさぁ、話してた△すると◆が来るとかって話あったじゃん。昨日アレやったら来たんだけど。」
○○「は?何それ?」
俺「だからぁ、マジ何か出たんだって!」
○○「あー、はいはい。カウパー出たのね」
俺「おま、ふざけんなよ。やっべーのが出たってんだよ」
○○「何言ってんのかわかんねーよ!」
俺「俺だってわかんねーよ!!」
仕事終わり、俺の部屋に来て確かめる事になった。
夜10時、幸いにも早めに会社を出られた○○と俺は部屋に着いた。 扉を開けた瞬間に今朝嗅いだ悪臭が鼻を突いた。 締め切った部屋から熱気とともに、まさしく臭いが襲ってきた。
帰りの道でもしつこいくらいの説明を俺から受けていた○○は「・・・マジ?」と一言呟いた。信じたようだ。
問題は○○が何かしら解決案を出してくれるかどうかだったが、望むべきではなかった。
とりあえず、お祓いに行った方がいいことと知り合いに聞いてみるって言葉を残し奴は逃げるように帰って行った。
予想通りとしか言いようがなかったが、奴の顔の広さだけに期待した。
臭いとこに居たくない気持ちからその日はカプセルホテルに泊まった。
今夜も出たら終わりかもしれないと思ったのが本音。
翌日、とりあえず近所の寺に行く。さすがに、会社どころじゃなかった。
お坊さんに訳を説明すると「専門じゃないから分からないですね~。しばらくゆっくりしてはいかがでしょう。きっと気のせいですよ」なんて呑気な答えが返ってきた。 世の中こんなもんだ。
その日は都内では有名な寺や神社を何軒か回ったがどこも大して変わらなかった。
疲れはてた俺は、埼玉の実家を頼った。
正確には、母方の祖母がお世話になっているS先生なる尼僧に相談したかった。っつーかその人意外でまともに取り合ってくれそうな人が思い浮かばなかった。
母は長崎県出身で当然祖母も長崎にいる。
祖母は、戦争経験からか熱心な仏教徒だ。 S先生はその祖母が週一度通っている自宅兼寺の住職さんだ。
俺も何度か会ったことがある。 俺は詳しくはないが、宗派の名前は教科書に乗ってるくらいだから似非者の霊能者などとは比較にならないほどしっかりと仏様に仕えてきた方なのだ。
人柄は温厚、落ち着いた優しい話し方をする。
俺が中学に上がる頃親父が土地を買い家を建てることになった。 地鎮祭とでも言うんだっけ? 兎に角その土地をお祓いした。
その一週間後に長崎の祖母から「土地が良くないからS先生がお祓いに行く」という内容の電話があった。当然、母親的にも「もう終わってるのに何で?」ってことでそれを言ったらしい。 そしたら祖母から「でもS先生がまだ残ってるって言うたったい」って。
つまり、俺が知る限り唯一頼れる人物である可能性が高いのがS先生だった。
都内と違い、工場ばかりの町なので夜9時でも人気は少ない。バス停から実家までの約20分を足早に歩いた。人気の無い暗い道に街灯が規則的に並んでいる。
内心、一昨日の事がフラッシュバックしてきてかなり怯えてたが、幸いにも奴は現れなかった。
が、夜になり涼しくなったからか俺は自分の身体の異変に気が付いた。
どうも首の付け根辺りが熱い。 伝わりにくいかと思うが、例えるなら首に紐を巻き付けられて左右にずらされているような感じだ。
首に手をやって寒気がした。熱い。首だけ熱い。 しかもヒリヒリしはじめた。どうも発疹のようなモノがあるようだった。
歩いてられなくなり、実家まで全力で走った。息を切らせながら実家の玄関を開けると母が電話を切るところだった。
そして俺の顔を見るなりこう言ったんだ。
「あぁ、あんた。長崎のお婆ちゃんから電話来て心配だって。S先生があんたが良くない事になってるからこっちおいでって言われたて。あんたなんかしたの?」
「あらやだ。あんた首の回りどうしたの!!?」
答える前に玄関の鏡を見た。奴が来るかもとか考えなかったな…、何故か。
首の回り、付け根の部分は縄でも巻かれているかのように見事に赤い線が出来ていた。
近づいてみると、細かな発疹がびっしり浮き上がっていた。
さすがに小刻みに身体が震えてきた。
何も考えずに、母にも一言も返事をせずに階段を駈け上がり、母の部屋の小さな仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返した。
そうする他、何も出来なかった。心配して親父が「どうした!!」と怒鳴りながら走って来た。 母は異常を察知して祖母に電話している。母の声が聞こえた。 泣き声だ。
逃げ場はないと、恐ろしい事になってしまっているとこの時やっと理解した…。
精神的に参ったからか、それが何かしらアイツが起こしたものなのかは分からなかったが、2日間高熱に悩まされた。
首から異常なほど汗をかき、2日目の昼には血が滲み始めた。3日目の朝には首からの血は止まっていた。
元々滲む程度だったしね。熱も微熱くらいまで下がり、少しは落ち着いた。
ただ、首の回りに異常な痒さが感じられた。
チクチクと痛くて痒い。枕や布団、タオルなどが触れると鋭い、小さな痛みが走る。
血が出ていたから瘡蓋が出来て痒いのかと思い、意識して触らないようにした。
布団にもぐり、夕方まで気にしないように心掛けたが、便所に行った時にどうしても気になって鏡を見た。鏡なんて見たくもないのに、どうしても自分に起きてる事をこの目で確認しないと気が済まなかった。
鏡は見たこともない状況を写していた。
首の赤みは完全に引いていた。 その代わり、発疹が大きくなっていた。
今でも思い出す度に鳥肌が立つほど気持ち悪いが敢えて細かな描写をさせて欲しい。 気を悪くしないでくれ。
元々首の回りの線は太さが1cmくらいだった。 そこが真っ赤になり、元々かなり色白な俺の肌との対比で正しく赤い紐が巻かれているように見えていた。
これが3日前の事。 目の前の鏡に映るその部分には膿が溜まっていた。
…いや、正確じゃないな。
そのほとんどが膿を滲ませていて、あまりにおぞましくて気持ちが悪くなりその場で吐いた。
真水で首を洗い、軟膏を母から借り、塗り、泣きながら布団に戻った。 何も考えられなかった。唯一つ「何で俺なんだ」って憤りだけだった。
泣きつかれた頃、携帯がなった。○○からだった。
こういう時、ほんの僅かでも、希望って物凄いエネルギーになるぞ? 正直、こんなに嬉しい着信はなかった。
俺「もしもし」
○○「おぉ~!大丈夫~!?」
俺「ぃや…大丈夫な訳ねーだろ…」
○○「ぁー、やっぱヤバい?」
俺「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」
○○「ぅん」
○○「地元の友達に聞いてみたんだけどさ~、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない。」
俺「ぁー、で?」
正直、○○なりに色々してくれたとは思うがこの時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、かなり自己中な話し方に聞こえただろう。
○○「いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。紹介してもいいんだけど金かかるって…」
俺「!? 金とんの?」
○○「うん、みたい…。どーする?」
俺「どんくらい?」
○○「知り合いの話だととりあえず五十万くらいらしい…」
俺「五十万~!?」
当時の俺からすると働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。 選択肢は無かった。
俺「…分かった。いつ紹介してくれる?」
○○「その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるからちょっと待ってて。」
祖母からすぐにS先生に相談が行き(相談と言うよりも助けて下さいってお願いだったらしいが)、最終的にはS先生がいらしてくれる事になっていた。
ただし、S先生もご多忙だし何より高齢だ。こっちに来れるのは三週間先に決まった。
つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと気持ちが落ち着かなかった。
○○が電話を折り返してきたのは夜11時を過ぎた頃だった。
○○「待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって。」
俺「明日?」
○○「ほら、明日日曜じゃん?」
そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。不思議と会社の事を忘れてたな。
俺「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」
○○「家まで行くって。車で行くらしいから住所メールしといて」
俺「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」
○○「行く行く」
俺「金、後でも大丈夫かな?」
○○「多分大丈夫じゃね?」
俺「分かった。近くまで来たら電話して」
何とも段取りの悪い話だが、若僧だった俺には仕方の無い事だった。
部屋から出る前にもう一度深々と頭を下げていた。
この夢がアイツと関係しているのかは分からなかったが。
翌日、昼過ぎに○○から連絡が来た。 電話で誘導し出迎えた。
来たのは○○とその友達、そして三十代後半くらいだろう男が来た。
普通の人だと思えなかったな。 チンピラみたいな感じだったし、何の仕事をしてるのか想像もつかなかった。
俺がちゃんと説明していなかったから両親が訝しんだ。 まず間違いなく偽名だと思うが男は林と名乗った。
林「T君の話は彼から聞いてましてね。まー厄介な事になってるんです。」
(今さらですまん。Tとは俺、会話中の彼は○○だと思って読んでくれ。)
父「それで林さんはどういった関係でいらしていただいたんですか?」
林「いやね、これもう素人さんじゃどーしようもなぃんですよ。
お父さん、いいですか?信じられないかも知れませんがこのままだとT君、危ないですよ?」
林「で、彼が友達のT君が危ないから助けて欲しいって言うんでね、ここまで来たって訳なんですよ」
母「Tは危ないんでしょうか?」
林「いやね、私も結構こういうのは経験してますけどこんなに酷いのは初めてですね。この部屋いっぱいに悪い気が充満してます」
父「…」
父「失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」
林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ」
林「でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」
母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」
林「それはもう、任せていただければ。こーいうのは私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。
ただね、お母さん。こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。ね、分かるでしょ?」
父「いくらあればいいんです?」
林「そうですね~、まぁ二百はいただかないと…。」
父「えらい高いな!?」
林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うからわざわざ時間かけて来てるんですよ?
嫌だって言うならこっちは別に関係無いですからね~。でも、たった二百万でT君助かるなら安いもんだと思いますけどね」
林「それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
分かる人なんて一握りなんですわ。また、一から探すんですか?」
俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。
結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。
夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、日本酒だと思うがそれを杯に注いだ。
何となくそれっぽくなって来た。
林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから」
林「お父さん、お母さん。すみませんが一旦家から出ていってもらえますかね?もしかしたら霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」
両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。 日も暮れて、辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。林からそうするように言われたからだ。
お祓いが始まってから大分たった。
お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。
最初こそ気付かなかったが首がやけに痛い。 痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっているとお経が止まった。
しかしおかしい。
良く分からないが区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。 何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。
寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。
目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。
林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。
目を開けると、林と向き合うように俺を挟んでアイツが正座していた。 膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。
林の顔とアイツの顔の間には拳一つ分くらいの隙間しかなかった。
不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、聞き取れないがぼそぼそと呟きながら林の顔を覗き込んでいた。
今思うと林に何かを囁いていたのかもしれない。
林は…少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。少し顔が笑っていたように見えた。 時々小さく頷いていた。
俺は、瞬きも忘れ凝視していた。 不意にアイツの首が動きを止めた。 次の瞬間、顔を俺に向けた。
俺は…慌てて目をギュッと閉じ、布団を被りひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。 恐ろしかった。
ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。 林が逃げ出したようだ。
俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。
両親が来て、電気を着けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。
林は、両親に見向きもせず車に乗り込み、まっていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。
解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。
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Muriel
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